スクラムEBMアジャイル

プロダクトゴールとは?あるいはプロダクトのゴールを設定するには何が必要か?

© 長沢智治, サーバントワークス株式会社 講演日 (RSGT 2022) 全 39 ページ 2026-10-19 公開 v1(最新版)

37 ページ:© 2022 NAGASAWA, Tomoharu 情報リソース • スクラムガイド: https://bit.ly/3f0f2D3 • EBMガイド: https://bit.ly/3sOfIU0 • スクラムのホワイトペーパー: https://bit.ly/3eKju8H • The Scrum Values: https://bit...

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この資料について

スクラムにおける「プロダクトゴール」についての解説です。
#RSGT2022 での講演資料です。

全ページのテキスト
  1. p.1
    プ ロ ダ ク ト ゴ ー ル と は ? あ る い は プ ロ ダ ク ト の ゴ ー ル を 設 定 す る に は 何 が 必 要 か ? Tomoharu Nagasawa Regional Scrum Gathering Tokyo 2022 #プロダクトオーナーシップと商売
  2. p.2
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu 概要 確約 プロダクト ゴール EBMによる 設定と計測 プロダクトバックログ スプリントゴール インクリメント 経験的なゴールの設定と計測 みなさんの正解に近づけるきっかけになりたい
  3. p.3
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu 自己紹介 ⻑ 沢 智 治 NAGASAWA, Tomoharu サーバントワークス株式会社 代表取締役 NOTA株式会社 アドバイザー DASA アンバサダー @tnagasawa
  4. p.4
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu 確約 Commitment
  5. p.5
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu 世界は変わった。誰も戻ることはできない。 ベストを尽くすことしかできない。 時にはベストというのは、やり直すことだ。 The world has changed. None of us can go back. All we can do is our best and sometimes the best that we can do is to start over. Margaret Carter
  6. p.6
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu Whatever it takes. 何としてでも Natasha Romanoff, Steve Rogers
  7. p.7
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu 経験主義の柱とスクラムの価値基準 検査適応 透明性 集中勇気 確約 公開尊敬 スクラム 引用: The Scrum Values (翻訳: ⻑沢智治、原田騎郎) 経験主義の柱 スクラムの価値基準
  8. p.8
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu スクラムの作成物 バックログ TODO DOING DONE スプリント バックログ インクリメント プロダクト バックログ 序 列 透明性
  9. p.9
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu スクラムの確約 プロダクトゴール スプリントゴール 完成の定義 バックログ TODO DOING DONE スプリント バックログ インクリメント プロダクト バックログ 序 列 のための のための を満たす • 各作成物には、透明性と集中を高める情報が必要 • 確約により進捗を測定
  10. p.10
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu 確約と予測 価値 時間 スプリント(タイムボックス) プロダクトゴール スプリントゴール 完成の定義 を満たす インクリメント
  11. p.11
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu スクラムのイベント(検査と適応)と確約・作成物(透明性) イベント 検査 適応 スプリントプランニング デイリースクラム スプリントレビュー スプリント レトロスペクティブ プロダクトゴール スプリントゴール 完成の定義 プロダクトゴール プロダクトバックログ バックログ TO DO DOI NG DO NE スプリントバックログ スプリントゴール スプリントゴール バックログ TO DO DOI NG DO NE スプリントバックログ 次の 次の インクリメント
  12. p.12
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu プロダクトゴール Product Goal
  13. p.13
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu The steps you take donʼt need to be big. They just need to take you in the right direction. 踏み出す一歩は大きくなくていい、 ただ方向さえ正しければ Jemma Simons
  14. p.14
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu プロダクトゴール from 『スクラムガイド』(2020年11月) 本文で15回言及(ゴールについては40回) • プロダクトの将来の状態であり、 計画のターゲット • POが策定し、明示的に伝達 • インクリメント: 具体的な踏み石 • 一度に一つの目的に集中 • ⻑期的な目標で、 次の目標に移る前に達成か放棄 プロダクト(対ステークホルダー) スクラムチーム • プロダクトゴールを達成するために必要な作業は、スプリント内で行われる • スプリントプランニング: 実施するPBIとプロダクトゴールとの関連性を話し合う • スプリントレビュー: プロダクトゴールに対する進捗について話し合う スクラムイベント
  15. p.15
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu 全員の関心ごと スクラムチーム ステークホルダー スプリントバックログ スプリントゴール 完成の定義 インクリメント プロダクトゴール プロダクトバックログ 序 列 目指すもの 期待するもの 実現するもの スプリント
  16. p.16
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu ステークホルダーとの共通認識と期待値管理 スクラムチーム ステークホルダー スプリントバックログ スプリントゴール 完成の定義 インクリメント プロダクトゴール プロダクトバックログ 序 列 目指すもの 期待するもの 実現するもの スプリント ❶ 最上位の期待値 ❷ 新たな価値を 目の当たりにする ❸ 次の価値の アイデアを検討する インクリメントは プロダクトゴールへの踏み石
  17. p.17
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu PBIの受け入れフロー(参考) 引用: Product Backlog Refinement Flowchart by Stephan van Rooden, 2015 アイデアを持っているか 何を欲しているか なぜそれを欲しているか WHY が明確か WHAT が明確か プロダクト ゴールに貢献 するか アイテムを捨てましょう 時間をムダにしないこと 付加価値 があるか PBIとして 追加する リファインメント の議題に載る
  18. p.18
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu プロダクトゴール: プロダクトビジョンへの踏み石 ビジョン スプリント計画 機能 • 検証可能な仮説 • マーケットや社会課題で駆動 • 市場に反応した結果を提示 • 作業や機能の抽象化・正当化 • 共通の認識 • 意図を伝える • 解決策を伝える • 達成判断が可能なゴールを設定 • 計測できる • 順序づけられる Vision Value Validation プロダクト戦略 リリース計画 プロダクトゴール
  19. p.19
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu プロダクトビジョン: プロダクトへの重要な4つの質問(参考) 我々のプロダクトは何か? What is our product? 我々のプロダクト でないものは何か? What is our product, not? 我々のプロダクト を構成するものは何か? What are parts of our product? 我々のプロダクト は何の一部なのか? What is our product part of?
  20. p.20
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu プロダクトゴールとロードマップ • 明示されているもの(FAST、もしくは SMART) • ステークホルダーとスクラムチームで共有 • 1度に目指すものは、たった1つ • プロダクトゴールを達成したときか、破棄した時に 次のプロダクトゴールを選択できる • スプリントごとに近づいているかを検査 • 主にスプリントレビューで検査 • 計測できなければならない(EBM、HEART) ❶ ❷ ❸
  21. p.21
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu プロダクトゴールの例 ❶ 日本で「オンラインどら焼き店」のNo.1になる プロダクトビジョン 金沢の顧客に販売できるウェブサイトを立ち上げる 生産と配送の能力を増強し、 日本国内の顧客に販売できるようにする ❷ スマホアプリとそのアプリストア展開で、 オンラインでの存在感を拡大する ❸
  22. p.22
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu プロダクトゴールの性質: FAST Frequent discussions Ambitiously Specific metrics Transparent 頻繁な議論に着目すること 野心的に設定すること 具体的な指標を計測すること 透明性を確保すること
  23. p.23
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu プロダクトゴールのフォーマット 我々のプロダクトビジョンである[ビジョン]に到達するために、 [具体的な課題]を克服しなければならない。 [ゴール]を達成することで、我々は適切な方向に進むことができ、 それは[指標]が[現在の値]から[目指すべき値]になることで示される。 [プロダクト]は、[ゴール]を達成するために設計された。 我々は、プロダクトが[ゴール]を達成していないことを観察しており、 それが我々のビジネスに[具体的な悪影響]を引き起こしている。 どのようにすれば[プロダクト]を改善し、[計測可能な基準]に基づいて、 顧客がより成功することができるだろうか?
  24. p.24
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu プロダクト戦略キャンバス 引用「Product Strategy Canvas」by PRODUX labs を基に作成 ビジョン 会社や部門がどこへ向かおうとしているのかという、高尚で未来に向けたゴールである。⻑期的に考える。 以内 に、時間枠 会社や部門名 は 、 を成し遂げる ビジョンステートメント チャレンジ ビジョンに向かって最初に取り組むべき大きなゴール。プロダクトのライフサイクルに関連するユーザージャーニー、理想的な状態、目的、KPIなどの観点で考える。 ビジョンを実現するために は、 までに、 にする必要がある 時間枠 計測できる目標 ターゲットの状態 チームが今日から検討を始められるくらい小さくて計測可能な目標である。 現在の状態 ターゲットとする状態に対して現在の状態はどうであるか。 チャレンジを達成するためには、まず以下が必要: 計測可能な目標 計測の結果、以下の状態であることがわかった: 現在の状態の指標 10年 Uber 自動車や公共交通機関を利用するより 安価な代替手段になること 2018年1月末 主要都市での待ち時間を 5分以内 2017 年1月末までに、各都市で50人に1人以上の ドライバーを確保する 平均して300人に1人のドライバーがいる
  25. p.25
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu EBMとプロダクトゴール Product Goal with EBM
  26. p.26
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu With great power comes great responsibility. 大いなるチカラには、 大いなる責任が伴う May & Ben Parker
  27. p.27
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu 予測したとおりの未来はやってこない • 変化する前提でゴールを設定 • 事実(エビデンス)に基づく計測 • 観察による意思決定 ゴール 開始の状態 予測主義によるマネジメントから 経験主義によるマネジメントへ
  28. p.28
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu ビジネスとプロダクトの価値と検証 インプット アウトプット アクティビティ アウトカム ビジネス インパクト チーム 顧客 顧客 インパクト 先行指標 遅行指標 フロー リードタイム T2L ミッション ミッション
  29. p.29
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu エビデンスベースドマネジメント(EBM) • 経験主義に基づくマネジメントフレームワーク • 不確実な条件下で、成果や組織能力を継続的に改善 • 戦略的ゴールへの道筋を模索するためのもの • 意図的な実験とエビデンス(指標)を用い、 組織のゴールの洗練と組織能力の体系的な改善が可能 • ゴールと次のステップを検査し、適応する ゴール | 重要価値領域 | 実験ループ
  30. p.30
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu ビジネス価値: EBMの重要価値領域(KVA) © 2020 Scrum.org. All Rights Reserved. 市場価値 組織的な能力 アジリティ ビジネス価値 未実現の価値 現在の価値 市場に出す までの時間 イノベーション の能力 UV CV T2MA2I 実現できる 可能性のある 付加価値とは? 組織は価値の 改善にどれくらい 効果があるのか? 現在、組織が どのような価値を 提供しているのか? 新しい価値提供に どれくらいの時間が かかるのか? 引用「エビデンスベースドマネジメントガイド」(翻訳: 長沢智治、角征典)
  31. p.31
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu ビジネスとプロダクトの価値と検証 インプット アウトプット アクティビティ アウトカム ビジネス インパクト チーム 顧客 顧客 インパクト 先行指標 遅行指標 フロー リードタイム T2L ミッション ミッション イノベーション の能力 A2I 市場に出す までの時間 T2M 現在の価値 CV 未実現の価値 UV
  32. p.32
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu EBM: 重要価値指標(KVM) 現在の価値(CV)の指標未実現の価値(UV)の指標 市場に出すまでの時間(T2M)の指標 イノベーションの能力(A2I)の指標 • 従業員1人あたりの 収益 • プロダクトコスト 比率 • 従業員満足度 • 顧客満足度 • 顧客使用指標 • 市場占有率 • 顧客満足度ギャップ • 望ましい顧客体験や満足度 • リリース頻度 • 平均修復時間 (MTTR) • 顧客サイクルタイム • リードタイム • ピボットまでの時間 • イノベーション率 • オンプロダクト指標 • 技術的負債 • 変更失敗率
  33. p.33
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu EBMにおけるゴール 即時戦術ゴール • 短期目標 • 中間ゴールに 向けた取り組み • チームの目標 中間ゴール • 戦略的ゴールへの 進捗を示せる目標 • 不確実性はあるが、 不確かでもない 戦略的ゴール • 組織の達成したい 重要な目標 • 不確実で不確か • 経験主義が必要 • 実用的な ターゲットが必要 • 症状の切り分け • 治療方法の評価 • NDA配列の調査 • ワクチン治験の成功 • 病気の影響の根絶 • 感染者数 • 重症者数
  34. p.34
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu エビデンスベースドマネジメント(EBM)とプロダクトゴール 時間 指標 戦略的ゴール 現在の状態 開始の状態 中間ゴール 即時戦術ゴール 実験ループ 仮説 適応 検査 実験と計測 引用「エビデンスベースドマネジメントガイド」(翻訳: 長沢智治、角征典) プロダクト ゴール プロダクト ゴール
  35. p.35
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu プロダクト「サノス」 • 社会課題: 人口増加、資源枯渇問題 • テーマ: SDGs • 戦略的ゴール: 全宇宙の人口を半分にする • 制約: 無作為であること • 中間ゴール: インフィニティ・ストーンを6つ集める • 確かに存在するが、所在と入手方法は不明 • 即時戦術ゴール: • インフィニティ・ガントレットを作らせる • インフィニティ・ストーンを捜索し、手に入れる • …… PRODUCT THANOS プロダクトゴール そうだ、サノスに解決してもらおう(雑) プロダクトビジョン: PRODUCT INFINITY GUANTLET プロダクトゴール 願いを叶えるアイテムを実現しよう(雑) プロダクトビジョン: PRODUCT STONE SEARCHER プロダクトビジョン: スプリントゴール
  36. p.36
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu まとめ プロダクトゴール 特徴 • スクラムチームとステークホルダー • 共通認識・意思疎通 • 行く先を示す • 意図を明確にするもの • ビジョンへの踏み石 • 設定し、計測する • 達成 or 放棄 • 確約 • 集中と透明性を引き出す • 勇気をもって建設的に貫く 注意点 • スコープを固定するものではない • 身勝手や言い訳を正当化するものではない • プロダクトバックログから 抽象化して設定しないこと • 適当に設定して、煙に巻くものではない • 予算を通すためにとりあえず設定 • なんとなくで大まかに設定 • 一度決めたら見直さないものではない • 常に指標を計測して検査・適応 • ゴールと価値指標はEBMを参考に
  37. p.37
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu 情報リソース • スクラムガイド: https://bit.ly/3f0f2D3 • EBMガイド: https://bit.ly/3sOfIU0 • スクラムのホワイトペーパー: https://bit.ly/3eKju8H • The Scrum Values: https://bit.ly/3sZvGKS • プロダクトゴールに関する翻訳記事: https://bit.ly/3EKDVwJ • EBMに関する翻訳記事: https://bit.ly/3Jv3SnL
  38. p.38
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu 協賛 ご参加くださり、誠にありがとうございました アジリティに関する導入・定着化支援サービス、研修サービスを提供いたします servantworks.co.jp
  39. p.39
    © 2022 NAGASAWA, Tomoharu サーバントワークス株式会社

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