スクラムEBMアジャイル

スクラムチームが自信をもってアウトカムとスプリント活動に集中するためのコツ

© 長沢智治, サーバントワークス株式会社 講演日 (RSGT 2023) 全 35 ページ 2026-10-20 公開 v1(最新版)

22 ページ:予測可能性とWIP数とスループットに影響を及ぼすほどの問題でない PBIのサイズは気にしなくていいのか スプリント期間 PBI PBI PBI PBI PBI スプリントに収まらないのはそもそも無理 リファインメント / プランニン...

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この資料について

スクラムチーム向けに望ましいアウトカムを目指してスプリントで集中するコツを解説したセッション資料です。

全ページのテキスト
  1. p.1
    © Tomoharu Nagasawa 長沢 智治 サーバントワークス株式会社 代表取締役 MORE EFFECTIVE SCRUM シリーズ
  2. p.2
    サーバントワークス株式会社 創業者・代表取締役 DASA Ambassador Helpfeel Inc. Advisory Board Member 長沢 智治 Rational ▷ IBM ▷ Borland ▷ Microsoft ▷ Atlassian ▷ 独立・起業略歴 © サーバントワークス株式会社, Tomoharu Nagasawa 長沢 智治 サーバントワークス株式会社 代表取締役 RSGT 2017 基調講演 RSGT 2020 講演 RSGT 2021 講演 RSGT 2022 講演 RSGT 登壇履歴 MORE EFFECTIVE SCRUM シリーズ
  3. p.3
    長沢 智治の関連書籍とホワイトペーパー BOOKS GUIDES & WHITE PAPERS 監訳 協力 執筆 監訳監訳 監訳共著寄稿 NEW! NEW!
  4. p.4
    アウトカムとスプリント活動に集中するには 本日の概要 アウトカム • 結果指標(遅行指標) • 改善は困難 • 生産性”中毒” • やった感の錯覚 アウトカムの動力 • Build the right thing 適切なものを作る • Build things right ものを適切に作る スプリント活動 • 計測して事実を共有する • 地に足ついた改善策 • リスクを管理 • 予測性を高める • フローと内発的動機
  5. p.5
    知識/組織的価値 アウトカムとスプリント活動は直結していないが、連動している アウトカムとスプリント活動 従来の指標 ビジネス価値 社会的価値 《直結する前提?》 先行指標 遅行指標
  6. p.6
    煩雑 complicated 明確 clear 複雑 complex 混沌 chaotic 無秩序 disorder 壊滅的 catastrophic ステークホルダーと現場の温度差 アウトカムとスプリント活動のアツレキ 問題領域の錯覚 プロダクトマネジメントの”すきま” 複雑適応系(CAS) 生産性が高ければ、成果がでる 完璧な計画を遂行できれば、達成できる • ビジネスと現場の分断 • ビジネス変化とアウトカムからの乖離 • 「プロジェクト化」とタスクへの依存 • マイクロマネジメントと生産性への執着 デリバリー と検証 ビジネス戦略 企業ビジョン 価値と開拓 プロダクト戦略 プロダクトビジョン
  7. p.7
    RSGT2022: プロダクトゴールとは?あるいはプロダクトのゴールを設定するには何が必要か? 適切なものを作る - Build the right thing スクラムチーム ステークホルダー スプリントバックログ スプリントゴール 完成の定義 インクリメント プロダクトゴール プロダクトバックログ 目指すもの 期待するもの 実現するもの プロダクトビジョン ものを適切に作る – Build things right
  8. p.8
    スクラムもEBMも経験的アプローチ: 網点のように 経験的アプローチ 検査適応 透明性 事実を置いていき、観察により判断 わかった事実「・」を置いていく 画像引用: http://mkagaku.jugem.cc/?eid=333 わかっていることが増えてくる 目指す先が合っているか、 やり方が馴染むかわかってくる 目指す先も検査できるようになる
  9. p.9
    スクラムもEBMも経験的アプローチ: 複雑系思考 経験的アプローチ 検査適応 透明性 客観的なデータを収集し、判断する 煩雑系へ 混沌系へ 無秩序へ 無秩序へ 同調圧力 少数派 あるある 同調する集団 直感や賭け 再現性がある 疑いの余地なし 異端児 止める チャレンジ 実験 ファシリ Dave Snowden の複雑系サブシステムの解説をもとに長沢が作成 一貫性
  10. p.10
    アウトカムは遅行指標(結果指標)なので、実験ループで探究し続ける アウトカムと実験に集中する 実験ループ PBI PBI PBI PBI PBI PBI PBI ? 実証データ PBIとアウトカムは直接つながらない 作る量ではなく、価値を最大化したい|開発者にできるのは価値を生むこと
  11. p.11
    リスクと予測を手の内に スクラムの狙い 完成・アウトカムへ (時間) リスクと予測可能性 KEEP! 未完成の作業によるリスク 予測可能性 PBI コード DoD/AC リリース可能 リリース済み • 鮮度のあるプロダクトとチームの力 • アウトカムに適応させる
  12. p.12
    一貫性を保つ心臓の鼓動 (フィードバックループのフロー) スプリント ビジネスに合わせた短さ アイデアを価値にするだけの長さ • アウトカムによってプロダクトを適応 • ステークホルダーの期待値管理と協力 • プロダクトゴールに近づくペース • スクラムチームの”歩幅” • スクラムチームのケイデンスと成長 • 短期ゴールと集中 時間で(を)制御している • 時間は、誰にとっても平等で一貫性がある • 時間は、都合よく恣意的に扱いにくい • すくなくとも1つの価値を生み出す
  13. p.13
    効果性と反応性が先で、効率性は後回し 1つの価値を生み出すことに集中 段階的アプローチを取る必要がある Crawl, Walk, Run プロダクトゴール プロダクトビジョン インクリメント スプリントで少なくとも1つの価値を生み出す PBI ? スプリント
  14. p.14
    価値を中心にスケールさせていくのはどうか スプリントで価値を生むための戦略を立てる ※ とあるチームのアプローチの例 価値 × 1 価値 × 2 価値 × n ワンチーム (WIP × 1) 1 2 3 チームはいくつの価値を作れるのか WIP × 2 4 チームが2つ並行して作業できたらどうか5 6 臨機応変 7 柔軟にモブ / 個人ワークで、 スプリントゴールに適応できたらどうか
  15. p.15
    サイクルタイムで、事実を検査しやすくする チームは何を計測するとよさそうか PBI サイクルタイム PBI サイクルタイム スプリント期間 ※ サイクルタイム: 着手してから、完成するまでの経過時間 リードタイム サイクルタイム 変更のリードタイム コードコミット 顧客サイクルタイム アイデア リリース
  16. p.16
    横槍、タスク切り替え、重複作業、PTとWT、VAとNVAを議論しやすい サイクルタイムは改善を促す PBI サイクルタイム(フロータイム) PT PT PT PT WT WT WT WT それぞれのPBIの固有の特性に依存しない共通の改善要素が多い
  17. p.17
    サイクルタイム散布図で傾向を知る チームはどう傾向を把握するのか サイクルタイム(日) 0 1 2 3 4 5 6 7 8 着手から完成に移動した日付 サイクルタイム(日) 0 1 2 3 4 5 6 着手から完成に移動した日付 PBI サイクルタイムのローリング平均 サイクルタイムの平均標準偏差 Jira Software: 管理チャート Azure DevOps: scatter-plot control charts
  18. p.18
    WIPで、事実を検査しやすくする チームは何を計測するとよさそうか スプリント期間 WIP: 着手しているが完成していないPBI PBI スプリント期間 PBI PBI PBI PBI PBI PBI PBI PBI PBI
  19. p.19
    累積フロー図(CFD)で傾向を知る チームはどう傾向を把握するのか PBIの数(累積) 0 10 20 40 60 時間経過 Jira Software: 累積フローダイアグラム Azure DevOps: cumulative flow サイクルタイム WIP スループット https://demo.actionableagile.com/ で体感できる
  20. p.20
    PBIの経過期間で、事実を検査しやすくする チームは何を計測するとよさそうか ※ 「PBIの経過期間」は一般的には、「作業項目の年齢(Work Item Age)」と呼ばれる PBIの経過期間: PBIが開始してからの経過時間(日数) (開始して完成していないPBIのみ計測) 結果指標であるサイクルタイムを改善する先行指標として活用 スプリント期間 PBI PBI PBI WT WIP制限 作業切り替えコスト
  21. p.21
    SLEで、事実を検査しやすくする チームは何をもとに予測するのか ※ SLE: サービスレベル期待値(Service Level Expectation) SLE: PBIの経過期間に期待する割合 例)PBIが3日以内に完成する確率が80%であること PBI PBI PBI PBI PBI 例)PBIが2日以内でプルリク (MR) に到達する確率が80% (というのも有効だった) done! done! done! done! undone
  22. p.22
    予測可能性とWIP数とスループットに影響を及ぼすほどの問題でない PBIのサイズは気にしなくていいのか スプリント期間 PBI PBI PBI PBI PBI スプリントに収まらないのはそもそも無理 リファインメント / プランニングで分割できる PBI おそらくバラツキ(誤差)の範囲内 https://www.agilealliance.org/estimation-and-forecasting/ • 1 • TFB: to f*ck*ng big • NFC: no f*ck*ng clue Tシャツサイズ
  23. p.23
    予測可能性に影響を及ぼすほどの問題でない PBIのサイズは気にしなくていいのか ポイントとベロシティによる予測 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 21 30 51pt 40pt くらい 60pt くらい PBIの個数とスループットによる予測 1 3 5 7 9 11 13 15 17 19 21 23 25 27 29 31 33 23 2720 16個 37個 見込み 実績 16 ※ 各数値は正確ではないポイントはアウトプット、PBIの個数はアウトカムの候補 SLE?
  24. p.24
    事実を観察し、ゴールに向けてチームを適応させる イベントでの検査と適応 スプリント スプリントプランニング デイリースクラム スプリントレビュー スプリント レトロスペクティブ • スループット • PBIの経過期間 • WIP • PBIの経過期間 • スループット • (サイクルタイム) • (WIP) • サイクルタイム • WIP • スループット • PBIの経過期間 “変化の兆し” に気づけば、対処できる CFD CFD CT散布図SLE SLE SLE
  25. p.25
    状況を知った上で、現実的な効果性を高める制限をかけていく WIPに制限をかける WIP制限 ※ あるチームでは、WIP制限のことを「トランキーロ」と呼んでいる • 作る量を増やすためのWIP制限ではない • 価値をできるだけ最大化するためのWIP制限 • 少なくとも1つの価値を生み出すため • 集中してチームで取り組むため • シンプルに改善のタネを浮き彫りにするため • 生産性中毒にならないため • スクラムイベント以外の 会議を減らす • 兼務などの切り替え数を減らす • 意思決定にタイムリミット (一定時間経過したら自己承認) • 助言を「サイクルタイム」に 寄与するものに限定する WIP以外の制限
  26. p.26
    状況を知った上で、現実的な分類をしていく PBIの種類ごとにアレンジする PBI • フィーチャー • 欠陥 / バグ • リスク • 負債 • (改善) WIP制限: • それぞれのサイクルタイムとスループットから スプリントで取り組むそれぞれのWIPを制限する 例) 最大値: フィーチャー (5), 欠陥 (3), リスクと負債 (1), 改善 (1) スプリントゴール プロダクト バックログ • フィーチャー • 欠陥 / バグ • リスク • 負債 フィーチャー 欠陥 リスク・負債 改善 レトロスペクティブ スプリントバックログ • 他の分類が空いているからと言って 最大値を超えないようにすべき
  27. p.27
    アウトカムのタネと時間を上手に運営する コツ • KISS(Keep it short and simple) • 内発的動機による改善は疲れない よくある指標を見つめ直してみる • この指標でないといけない理由はあるか • 何がわかるようになるか • 何の改善につながるのか • 合わない指標は途中でも変える・他を試す チームのために設定し、活かす • 押し付けや強制になるのを避ける • ステークホルダーとの約束事としない 「時間」を事実把握に利用する • 理解しやすい、協力しやすい、改善しやすい • 白黒つきやすい(改善・次への判断しやすい) • ごまかせない • タスクにまで適用しない • 予測に使わない、事実にのみ使う
  28. p.28
    こ の 道 を 行 け ば ︑ ど う な る も の か ︒ 危 ぶ む な か れ ︑ 危 ぶ め ば 道 は な し ︒ 踏 み 出 せ ば ︑ そ の 一 足 が 道 と な る ︒ そ の 一 足 が 道 で あ る ︒ 迷 わ ず 測 れ よ ︑ 測 れ ば わ か る さ ︒ アントニオ猪木、『無常断章』清沢哲夫より、改変
  29. p.29
    • 「時間」の事実は計りやすく、受け入れやすい ▶ 改善しやすい • スループットは、ベロシティよりも説明しやすい(でも約束しない) • スクラムイベントで、「変化の兆し」を検査し、適応させやすい • 特に、効果性を妨げる要因が浮き彫りになる • すぐに試せる改善が浮き彫りになる • アウトカムへつながる価値の供給フローを実感しやすい • ビジネス指標に動じない • 安定供給できていると、邪魔されない、横槍が入りにくい アウトカムのタネと時間を上手に運営する 得られた効果
  30. p.30
    自ら判断し、選択すること © サーバントワークス株式会社, Tomoharu Nagasawa 長沢 智治 サーバントワークス株式会社 代表取締役 WHAT/HOW WHY/WHO WHY/WHO WHAT/HOW 可能性を制限する 可能性を引き出す 半分正しい
  31. p.31
    本講演に関連する資料 情報リソース https://kanbanguides.org/ https://www.scrum.org/resources/kanban-guide-scrum-teams カンバンガイド • カンバンガイドの定義集 • カンバンガイド《付録》実現手段と詳細説明 スクラムチームのためのカンバンガイド 取り扱った指標の詳細や活用の仕方を知りたい 取り扱った指標をスクラムチームで扱う際の基本ルールを知りたい
  32. p.32
    本講演に関連する資料 情報リソース https://flowguides.org/ https://www.scrum.org/resources/scrum-guide-companion-leaders フローシステムガイド • 複雑性思考: 複雑適応系、ウィークシグナル検知、経験的プロセス制御、制約マネジメント • 分散リーダーシップ: 共有メンタルモデル、意思決定、行動第一 • チームサイエンス: チーム設計、状況認識、認知形成、チーム効果性 チームリーダーのための「スクラムガイド」手引き スクラムチームを組織のリーダーに支援してもらい スクラムチームが置かれている状況の根拠やキーワードを知りたい
  33. p.33
    本講演に関連する資料 情報リソース https://www.scrum.org/resources/using-measurement-improve-scrum-team-performance https://www.scrum.org/ebm スクラムチームの成果を伸ばすための計測方法(仮題)《翻訳中》 USING MEASUREMENT TO IMPROVE SCRUM TEAM PERFORMANCE • 価値提供の成果の計測 • 価値提供の能力の計測 エビデンスベースドマネジメントガイド 上記概念のガイド この講演の根拠と発展について関心がある https://www.scrum.org/resources/ investing-business-agility ビジネスアジリティのための投資戦略 EBMをポートフォリオ管理に拡張するガイド
  34. p.34
    RSGT2020 〜 RSGT2022 More Effective Scrum RSGT 2020 講演 © サーバントワークス株式会社, Tomoharu Nagasawa 長沢 智治 サーバントワークス株式会社 代表取締役 RSGT 2021 講演 RSGT 2022 講演 © Tomoharu Nagasawa 長沢 智治 サーバントワークス株式会社 代表取締役 MORE EFFECTIVE SCRUM シリーズ RSGT 2023 講演 Build the right thing Build things right Why/Who ▶ What/How Tools
  35. p.35
    代表取締役 長沢 智治 手を伸ばせば、必ずその手を掴みます 感謝! nagasawa@servantworks.co.jp @tnagasawa © Tomoharu Nagasawa

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